退屈で面倒くさい講義が終わると、教室の中はとりとめもない雑談で満たされた。
ロクに開いてもいない教科書を鞄の中に放り込んでいると、近くにいた奴らの話し声が何となく耳に入ってきた。
「でさぁ、一回目が終わった後でさりげなーく聞いてみたワケよ」
一応、小さな声で話そうとしてるみたいだけど、はっきり言って丸聞こえだ。
「さりげなく……って、どんな感じに?」
「ん?“次、後ろの穴に入れてもいい?”って」
「うわ、お前それストレートすぎ(笑)」
直後に、クスクスと失笑が漏れる。
ヤローばかり5人も集まって、やらしい話をしているらしい。
結局、そいつの彼女さんが「ヘンタイ!気持ち悪い!そんなの絶対イヤ!!」と力いっぱい拒否したので、アナルセックスの野望は潰えたらしい。
まぁ、アダルトビデオじゃあるまいし、女の子から相当深く愛されていない限り、そんなことさせてくれる訳ないよな……とか考えながら俺は教室を出た。
そして廊下を歩きながら、部屋で待機している“どんな要求も決して拒否しない”女の子のことを思い浮かべ、
(アナルかぁ…ちょっと、いいかも……)
と、心の中でつぶやいたのだった。
前のページへ | 次のページへ |