♯30 冥界桜の並木道にて
(“東方Project”より)

 そして季節は巡り、また春がやってきた。


妖「幽々子様、今年はあの妖怪桜を咲かせないのですか?」

幽「そうねえ、やってもいいんだけど、どこから“春”を集めればいいのかしら?」

妖「幻想郷で集めようとすれば、またあの巫女が邪魔をするでしょうが……今度こそは倒しますよ」

幽「いっそのこと、外の世界から集めるのはどうかしら?なんでも近年は暖かくなって困ってるそうだから、ちょっとぐらい春をもらっても誰も文句は言わないと思うわ」

妖「それは……何だか嫌な予感がします」

幽「確かに、外の世界は私たちの考えが及ばないから、何が起こるか分からないわね……」

 こうして結局、件の桜はそのまま放置されたとか、されないとか……。

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冥界桜の並木道にて