アッカスは木こりを生業としている青年だ。
木こりの仕事は結構もうかる。一年の大半を山林で過ごさなければならないが、伐採した木を炭にしたり、材木に加工して町で売ればかなりの金額になるのだ。
秋も深まり、寒く厳しい冬が訪れようとしていたある日のこと、彼は自分の炭焼き小屋で作った炭と、暖炉にくべる薪を売るために町に下りてきていた。
炭も薪もそれなりの金額で売ることが出来たのだが……彼は一つの悩みを抱えていたのだった。
さて、前回の冒険でまとまったお金を手に入れたサキとユーナは、とりあえず1ヶ月ぐらいのんびりと過ごすことにしていた。
今日は楽しく二人でショッピング。
ハンターとしての緊張感など少しも感じられず、年頃の女の子らしく、キャッキャウフフと大通りを歩いていた。
ユーナ「サキちゃん、早く早く!今日はお城の前のバザーでいっぱい買うよ!」
サキ「ちょっと待ってよユーナ〜」
冒険しているときとは立場が逆になり、町のことをよく知っているユーナの方がサキを引っぱり回す感じになっている。
ユーナは杖を家に置いてきていたが(杖が無くても簡単な魔法を使うことはできる)、サキは念のために帯剣していた。
よくよく見れば、戦うことを生業としていることが分かる格好だ。
青年「あ、あの……」
サキ&ユーナ「?」
一人の青年とすれ違いざまに、急に声を掛けられた。
青年「君達はトレジャーハンターかい?」
サキ「……ええ、そうよ」
青年「その……お願いしたいことがあるんだけど、いいかな?」
二人は少し困った様子で、顔を見合わせた。
トレジャーハンターは、基本的にギルドが発行するクエストを元に遺跡を探索するが、他にも「依頼」を受けて仕事をすることがある。
ギルドを通すことも直接受けることもあるが、共通するのはパーティーを名指しで依頼されるということだ。冒険の途中で財宝を見つけなくても、案件を完了すれば報酬がもらえる。
依頼の内容は魔物がらみのトラブルの解決が多い。
そしてギルドの決め事として、よほどの理由が無い限り依頼は引き受けるということになっている。
こんな決まりがある理由は実は良く分かっていないのだが、トレジャーハンターの怪しげなイメージを払拭し、街の人達に貢献することでイメージアップを図るためというのが通説だ。
つまり、今のサキとユーナのように、お金がいっぱいあって冒険に出る必要が無い時でも、町の人から直接依頼されれば動かざるをえないのだった。
こんな大通りの真ん中で立ち話も何だから……と、サキとユーナが青年を案内したのは、細い路地の奥にある一軒のカフェだった。
シックな雰囲気の建物に可愛らしい小物をあちこちに配した外装は明らかに女性向けで、青年は一瞬顔をしかめるが、二人は気にすることなくドアを開ける。
……当然のことながら、店の中は女性客とカップルばかりだった。
決して広くはない店内のほとんどはカウンター席だったが、相談事ということで、三人は小さめのボックス席に入った。
ふかふかの綺麗なソファに、円形のガラスのテーブル。こんな席に男女で入れば、デートの途中で立ち寄ったと思われてもおかしくないだろう。
可愛らしい格好をしたウエイトレスを呼ぶと、サキとユーナはケーキとドリンクのセットを、青年はホットコーヒーを注文する。
ほどなくして、注文した品が運ばれてきた。
サキ「うん、今日のケーキも美味しい♪」
ユーナ「紅茶もいい香り〜」
サキとユーナはすっかりくつろいでいたが、青年は居心地が悪そうだ。
青年(魔物を追っ払う相談をするんだから、公園のベンチでも良かったんだけどな……)
彼はこんなお洒落な店には入ったことがないし、年頃の少女二人とボックス席で向かい合う……なんて状況にも慣れていないので、緊張してしまうのだった。
ユーナ「あれ?どうかしましたか?」
サキ「そういえば、まだ名前聞いてなかったわね。私はサキ、こっちの可愛いのがユーナ」
ユーナ「わわわ、可愛いってそんな」
青年「え、えと、僕はアッカス。それで、頼みたいことっていうのは……」
緊張を誤魔化すためか、青年――アッカスは、少し早口で話し始めた。
アッカス「僕は木こりをやってて、切り倒した木を割って薪にしたり、炭にしたりして稼いでるんだ。で、炭にするには専用の窯で炭焼きしなきゃいけないんだけど、その窯がある小屋に……ええと、一週間前ぐらいかな?何か見たことない動物みたいなのがウロウロし始めて、しかもどんどん数が増えてるんだよ。怖いし気持ち悪いしで炭焼き小屋に近づけやしない」
サキ「なるほど、それじゃ困るわね」
アッカス「僕が稼げないというだけじゃなくて、今年は炭が出回る量が少ないから、暖を取れない人も出てくるかもしれない」
ユーナ「魔物かなぁ?」
サキ「森で働いている人が見たこと無いって言うのなら、可能性は高いわね」
ユーナ「でも、木こりさんがいるような人里近くの森に現れるのは変だよ」
サキ「うーん……これは現場に行かないとはっきりしないわね。すぐに出発よ!」
アッカス「そうしてもらえるとありがたい!」
サキとアッカスは今すぐにでも店を飛び出しそうな勢いだが、ユーナは腰を上げようとはしなかった。
ユーナ「えっと……ケーキ食べてからでいいよね?」
サキ「それもそうね、大きな被害が出ているわけじゃないし、そうしましょ♪」
アッカス「……………………」
結局、アッカスはサキとユーナのお茶に小一時間付き合わされることになってしまうのだった……。
カフェから出た後、3人は一旦別れて、町の入り口で落ち合った。
アッカスの炭焼き小屋は、町から歩いて4時間ぐらいの、比較的近場にあった。
とはいえ、サキとユーナは普段と余り変わらない軽装備だ。
剣と魔法の杖を持っている以外は、町を歩いている年頃の少女と変わらない。
まるで森の中にピクニックにでも出かけているように、時折口笛を吹いたり、楽しく談笑したりしながら木漏れ日の小道を歩いていく。
アッカス(本当にこの子達で大丈夫か?しばらくの間一緒にいるのなら、女の子の方がいいかなって声を掛けたんだけど……失敗だったかな……)
トレジャーハンターの装備は別に決められてはいないが、いかつい体格に重厚な鎧と武器で武装しているのが一般的で、少数派の魔法使いでもローブとマント、杖の他にも多数の呪具、護符を持ち歩いているのが普通だ。
単純な身体能力では人間を大きく上回る魔物と戦うには、それなりの装備が必要ということだ。
サキとユーナのような軽装で冒険に出るハンターは滅多にいないし、幼い少女二人でパーティーを組んでいるのは前代未聞と言っても言い過ぎではないだろう。
道が狭くなり、大きな曲がり角に差し掛かると、サキとユーナは急に足を止めた。
サキ「いるわね」
ユーナ「うん、いるね」
アッカス「え?え??」
二人が指差した方向にアッカスが目を凝らすと、小柄で毛深い、人間と獣の合いの子のようなのが何人も(何体も?)森の中をウロウロしているのが見えた。
ユーナ「コボルドだね。あ、こっちに気付いたみたい」
『コボルド』
人型の魔物。知能は比較的高いが、それでも人間の子供程度。集落を作って採取生活を営んでいるが、時折人間を襲っては金目のものを盗んだりするので注意が必要。
小柄だが身体能力は人間より高く、盗品で武装していることもあるので集団で襲われると厄介。不意を突かれた場合は、金属製の装備を放り出して注意をそちらに向け、その隙に逃げ出すのも有効。又、あやふやなものや不可思議な現象に遭遇するとひどく驚く性質があるので、パーティーに魔法使いがいるのなら何でも良いので魔法を見舞うのも効果的。
常に集団でいるので、直接戦闘の際は背後に常に気を配るようにすること。
アッカス「ど、どうするんだい……?」
サキ「落ち着いて。コボルドぐらいならどうってことない。調査の邪魔だから追い払うわ」
ユーナ「魔法の準備してるね〜♪」
サキは剣を抜くと、コボルド達の方へと歩いていった。
接近に気付いたコボルド数体が、サキの周りを囲む。彼らは古ぼけたサーベルと錆びた鎧で武装していた。
聞き取れない発音で何かを叫ぶと、一斉に襲い掛かってきた
……が、その動きは全く統制が取れていなくてバラバラだった。加えて、重いサーベルを扱うことが出来てない。
幼稚な攻撃を、サキはひらりひらりとかわしていく。
彼女が攻撃に転じ、剣を一振りすると、コボルド達は慌てて後ずさった。
サキ(楽勝ね、これは)
しかし、油断していたサキの背後には一体のコボルドが接近していて、頭を狙ってサーベルを振り上げた!
ユーナ「サキちゃん!後ろ!」
サキ「!!」
サキは慌てて振り返るが、体勢を崩してしまってかわすことが出来ない。
振り下ろされる大きなサーベルを、右手に持った細身の剣で受けるしかなかった。
ガキィィン!
剣と剣がぶるかる鈍い音がした。
そして真っ二つに折れたのは……コボルドが持っていた大振りのサーベルの方だった。
サキの剣は業物というわけではないのだが、武器専門店で購入した鍛え上げられた鋼の剣だ。拾い物の錆び付いた鉄製サーベルとは出来が違いすぎた。
ユーナ「準備完了!冷気魔法いくよっ!!」
サキ「オッケー!」
サキは急いで射線上から退避した。
今日はこれ以上の戦闘は無いと判断して、ユーナはありったけの魔力を杖に注ぎ込んでいた。溢れ出した魔力で、支えも無いのに杖は空中に浮遊している。
ユーナ「……凍てつく冷気よ、この場に満ちよ!」
呪文の詠唱が完了し、広範囲冷気魔法が発動する。
コボルドたちの周囲の気温が、瞬時に50度近く下がる。地面が霜で真っ白になり、空気中の水分が凍りついて、キラキラと美しく降り注いだ。
余りにも不可思議な現象を見せ付けられ、コボルドたちはパニックに陥る。いくら体毛に覆われているとはいえ、さすがに寒くてたまらなかった。
彼らは一匹残らず、ガタガタと震えながら慌てて逃げ出したのだった……。
アッカス(凄いな……まだ子供なのに素晴らしい実力だ。これは見直した)
二人の戦いぶりは、彼の考えを改めさせるのに十分なものだった。
コボルドを追い払った頃には、既に夕暮れが迫っていた。
魔物がいようがいまいが、夜の森は危険だ。本格的に調べるのは明日にして、サキとユーナはアッカスが普段寝泊りしている山小屋に引き返して、そこで一泊することにした。
アッカス「何も無いところで悪いけど……食料も保存食しか無いし……」
サキ「ううん、思ったより色々揃ってるじゃない」
ユーナ「調理道具もあるから、お料理するね♪」
アッカス「えぇ!?こんな食材で料理なんてできるのかい?」
サキ「もちろんよ。ユーナの手にかかれば保存食も宮廷料理になるんだから。あ、私は見てるだけね☆」
ユーナ「サキちゃんも手伝うの!」
サキ「は〜い」
サキとユーナは自分達のリュックの中から次々と調味料を取り出す。
アッカス(あの小さなリュックの中に調味料を入れるなんて理解できない……。僕なら最低限の食料とサバイバルキットしか入れないだろうな)
小一時間台所で調理した結果出来上がったのは……。
・スモークサーモンのスープ
・干肉とピクルスのロールパンサンド
・紅茶(サキちゃん担当)
ユーナ「さすがにレストランの料理みたいなのは無理だけどね」
サキ「これだけ出来れば十分よ」
アッカス「確かに、これは本当に美味い!ここにあるものだけで作ったとは思えない!」
ユーナ「どんどん食べてね〜」
アッカス(ううむ……今まで食べ物の味など二の次だったけど……“美味しい”というだけで体力も気力も充実するものなんだな……)
食事の後はゆっくりとくつろぐことになったのだが、ユーナが浮かない顔をしていることにサキは気づいた。
サキ「ユーナ、どうかした?」
ユーナ「うん……お風呂は諦めるしかないよね……」
サキ「一日ぐらいどうってことないわ」
アッカス「……風呂ならあるよ」
サキ&ユーナ「あるの!?」
アッカス「ここらの木こり達が共同で管理している、小さな温泉が近くにある。露天で壁も無くて吹きさらしだけど、今日は晴天だし、秋にしては暖かいから問題ないだろう」
ユーナ「やった!早く行こう!」
アッカス「ち、ちょっと待って。そこには温泉以外何も無いから、灯りとか色々用意しないと」
三人は草原の道を少し歩いて、温泉までやってきた。
風呂が小さいこともあって、一人ずつ入って残りの二人は周囲を見張ることにした。
サキ「はぁ〜〜〜あ、いいお湯ねぇ〜〜〜」
最初はサキが温泉に入ることになった。
お湯の量も少ないし、少しぬるかったけど、疲れた身体に温泉は気持ちよかった。
開けた場所にあったので、眺めもなかなかだ。
満月の明かりが、周囲の草原と遠くの山を幻想的に照らしていた。
サキの入浴はすごく短くて、ユーナから「それじゃカラスの行水だよ」と言われるのだけど、今日は少しだけ時間をかけて温泉から上がった。
次はユーナの番だった。
残されたアッカスとサキは、草原に座って見張りをしていた。
アッカス「温泉はどうだった?」
サキ「なかなかだったわよ。よく温泉なんて掘り当てたわね?」
アッカス「いや、たまたま湧いていたのをちょっと整えただけだよ」
サキ「そういえば、ユーナの入浴を覗きに行くなら止めないけど、バレたらメチャクチャ怒るから気をつけてね♪」
アッカス「そ、そんなことしないよ!」
月明かりに照らされた見晴らしの良い草原は、何かが近づいてきたらすぐに分かる。
緊張感も無く、おしゃべりしていたのだが……。
ユーナ「あぁぁぁっ!!」
唐突にユーナの大声が聞こえてきた。
アッカス&サキ「!?」
二人は剣と斧を手に取ると、急いでユーナの元へと向かった。
ユーナ「きゃぁぁぁぁ!」
二人が駆けつけると、ユーナは温泉の側で全裸で立っていた。
悲鳴を上げて、タオルで必死に身体を隠す。
アッカス(一瞬だけど、見ちゃったな……)
アッカスは顔を背けたけど、見えてしまったものは仕方が無い。
ユーナ「もう!どうしたの二人とも!」
サキ「いや、それはこっちの台詞よ。急に大声上げるから来たんだけど……何かあったの?」
ユーナ「そ、そうだ……あれを見て!」
ユーナが指差した方向は、薄暗い山の一つだった。
そちらを見たサキとアッカスは、すぐに異常に気付く。
うっすらとではあるが、何かが光っていたのだった。
サキ「あれは……何かしら?」
アッカス「ちょうど、僕の炭焼き小屋のあたりだね」
サキ&ユーナ「ええっ!?」
アッカス「何かが燃えているのだとしたら、消さなきゃいけない。山火事になったら大変だ!」
ユーナ「それは無いと思うよ。光に揺らぎが無いし、色も炎のものとは違うし。あと……ちょっとだけ魔力を感じる」
サキ「それはそれで不気味ね。魔物と何か関係が……?」
ユーナ「う〜ん、近くに行かないと分からないよ」
サキ「今から行くのは危険ね。明日にしましょ」
気になって仕方がないのだが、三人は温泉を後にした。
翌日の早朝、準備を整えてアッカスの炭焼き小屋に向かった。
幸いなことに、道中魔物に遭遇することも無く到着する。
周辺を探索すると、簡単に“それ”は見つかった。
その石柱は、林の中に唐突に設置されていた。
複雑に刻み付けられた文様は、時折明滅しており、上部の球体はうっすらと光を放っている。
アッカス「な、なんだこの石柱は!?」
サキ「生きてる遺跡……遺構、ね」
『遺構』
魔法都市文明の残骸を総じて遺跡と呼んでいるが、その中で、まだ機能しているものを指す。多数の遺構が接続され相互に影響しながら動作しており、その仕組みはごく一部しか解明されていない。周囲には魔物が多いので破壊を依頼されることがあるが、知識のない者が手を出すと非常に危険。このため、遺構を発見したハンターは、ギルドへの報告が義務付けられている。
ユーナ「あれが魔物を呼び寄せているのかなぁ?」
アッカス「何だって!そんな危険なものは早く壊してしまおう!」
サキ「ダメよ。遺構を発見したら、ギルドに報告しなきゃいけないの」
今にも斧で石柱を叩き壊そうとするアッカスを、サキが制止する。
これ以上できることは何も無いので、サキとユーナはギルドに報告するために街に戻ることにした。
山小屋に戻るアッカスと、途中の道で別れることになる。
サキ「ここでお別れね。数日中にギルドの専門家がやって来て、石柱を壊すか撤去してくれるわ。魔物が出ることも無くなるはずよ」
アッカス「分かった。あ……報酬はいくら払えばいい?」
サキ「そんなのいらないわよ。遺構を発見したから、ギルドから報奨金が出るし」
ユーナ「じゃあね〜」
アッカス「ああ、それじゃあ。……ありがとう」
町への道を歩き始めたサキとユーナの背中を、アッカスはじっと見つめていた。
無骨で口下手な自分にも、屈託無く話してくれた二人の少女。彼女達と過ごした時間は短かったけれど、今までの人生の中で、最も楽しく、輝いたひとときだった。
アッカス「あの!!」
サキ&ユーナ「?」
後ろから呼びかけられ、二人は振り返る。
アッカス「また、どこかで会えるだろうか?」
サキとユーナは、にっこりと微笑んだ。
サキ「夕方にギルドに来てくれれば、だいたい居るわよ」
ユーナ「昼間は町をぶらぶらしてるか、最初に会ったカフェでお茶してるかなぁ……冒険に出てなければ」
二人はアッカスにそれだけ伝えると、軽く手を振って、再び歩き始めた。
ユーナ「でも、ちょっと気になるかも……」
サキ「アッカスさんに裸見られちゃったこと?」
ユーナ「ちーがーう!……アッカスさんが『一か月前に炭焼き小屋に来たときは、あの場所に石柱は無かった』って言ったこと」
サキ「それが本当なら、最近になって作られたか、移設された……ってことになるわね」
ユーナ「あんな場所に設置する意味も目的も分からないよ。それに……」
ユーナは口をつぐんだが、言おうとしたことはサキには分かった。
魔法を扱う技術は失われて久しい。機能するアーティファクトを新たに作るのも、遺構を移設して動作させるのも、そもそも不可能なはずなのだ(ちなみにユーナが持っている杖も“発掘品”である)。
サキ「ま、私達が考えたって仕方ないよ、後はギルドに任せるしかないわ」
ユーナ「それはそうだけど……何か嫌なことが起こりそうな予感がする」
サキとユーナ――二人の少女ハンターは、漠然とした不安とほんの少しの期待を胸に、森の中の小道をゆっくりと歩いていった。
おしまい