いってらっしゃい

「いってくるね」
 教科書とノートが入ったカバンを肩にかけ、ベッドに座ったエトワールに声をかけた。
「…………」
 彼女は何も言わなかったけれど、ほんの少しだけ微笑んだように見えた。
 それは俺の錯覚だったのかもしれないけど、この部屋に女の子が居てくれるというだけで嬉しかった。
 二人で過ごす夜を想像すると、これから学校だというのに、期待で胸が高鳴ってくるのだった……。

おしまい

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