上海旅行記2―周荘編― 04.4.17

1 はじめに

 前回の豫園旅行もそこそこの成功をおさめ、次はどこに行こうかと考えていたとき、上海の西の方にある水郷が目にとまった。細い水路と、その周りの古い町並み……。田舎くさい所が好みのおれとしては、興味津々である。正直、かなり遠かったが、日帰りできないほどではないらしい。
 ということで、今回は、上海のはるか西、「淀山湖」のほとりにある、最大の水郷「周荘」に行ってきた。その様子をちょっと書いてみようと思う。

2 出発前

 前回の豫園旅行のときは、前日にお酒を飲んでさんざんな目に合い、出発が遅れてしまったが、今回はそんなことはなく、7時に起床してシャワーを浴び、準備をして8時に出発!予定としては、ホテル→上海体育館バスターミナルまで地下鉄で、そこからバスで周荘まで、という感じである。バスには乗ったことがない上に、周荘は豫園に比べて広い。そこで、今回は2つの新兵器を投入した。


 ……地図とコンパス。迷う旅の必需品である。地図は、上海のホテルの近くのコンビニで、コンパスは名古屋空港で買ってきた。

3 ホテル〜上海体育館バスターミナル

 ホテル〜上海体育館までは乗りなれた地下鉄だったので余裕で到着。バスターミナルもすぐに見つかった。しかし、ここでいきなり難関にぶちあたる。乗るバスが見つからない!のだ。

 旅行前に、会社の通訳の人から「周荘行きって書いてあるバスがあるから、それに乗ればいいよ」と言われていたのだが、そんなバスはどこにもない。仕方なく、その場で路線を調べる。「旅遊4号線」。これが乗るべきバスらしいが、このバスも見つからない。仕方なく“旅遊4号線 周荘”と書いた紙を見せて、どこか尋ねること3回。どうやらここのバスターミナルではないことが判明した。目指すべきバスターミナルは“対面”つまり、大通りを渡った向こう側にあるらしい。なんてこった。

 通りを渡ってから、さらに警官に3回道を聞いて、ようやく目指すバスターミナルにたどり着いた!
 そこには、「上海体育館→周荘」と書かれたバスがあるではないか!早速乗り込もうとすると、運転手に追い返される。……指さされた方向にはチケット売り場が…。どうやら先に買わなければいけないらしい。売り場のおねーちゃんと英語で必死に会話して、やっとチケットをゲット!!!!


 帰りのバスも指定されている往復チケットだった。“周”の文字がイカしてるぜ。これでやっとバスに乗れることになった。……しかし、さんざん迷ったせいで、バスの出発は10時半。向こうであんまり遊べないかもしれないなぁ……。

4 上海体育館バスターミナル〜周荘

 走行中に窓ガラスがガタガタ揺れる素敵なバスは、自動車道路を使って周荘に向かう。クラクションを鳴らしての割り込み、追い越しは当たり前。さすがは中国のバスである。中国の田舎は、貧困が蔓延しているせいか、あまり景色はきれいではない。しかし、湖が近づいてくると、気分も爽快になってくる。
 そして、やっと周荘バス停留所に到着!バスを降りてちょっと歩いたところで、1枚撮ってみた。


 なかなかいい景色ではあるが、ここは正確には周荘の中ではないのだ。入り口はバスを降りてから、15分ぐらい歩いたところにあったのだった。途中で、おばさんから周荘の地図をかったのだが「絵葉書も買え買え」と迫られて、大変だった。

5 周荘をぶらぶら

 入場料60元を支払って周荘の中に入ると…予想した通り、中は観光客がうじゃうじゃいた。静かで古風な町…を期待していたので、ちょっとがっかり。着いたのが12時過ぎだったので、ちょうどお昼時だったのだが、時間が短いこともあり、とりあえず一番端まで行こうと、歩き始めた。中の様子は、大体こんな感じ。

 
 ……人ごみを撮っていないところが、私らしい。これでは、あのゴミゴミした様子が伝わらないじゃないか(笑)。
水路には船が走っていて、これに乗ることができるのだが、一人で乗っても仕方ないと思って、やめておいた。

6 名を忘れた中華料理店

 さすがに腹が減ってきたので、そこら辺にあった中華料理屋に入ってみる。周荘には料理屋も多く、迷うぐらいあるのだが、テキトーに決めてやった。中はこんな感じ。

 
 メニューは中国語で、写真も載ってないからどんな料理なのかさっぱり分からない。仕方ないので、注文をとりに来たおねーちゃんのオススメを全部頼んでやった。その結果がこれ、

 
川魚を煮たものと、巨大な牛の角煮(角じゃないけど)、川エビを煮たもの、そして謎の川魚(笑)。当たり前だけど、全部食べるのは不可能で、かなりの量を残してしまった。
 水郷に来たのだから、川魚は食べたいと思っていたので、良かった良かった。謎の川魚もぷりぷりしてておいしかった。

7 再び周荘をぶらぶら

 食事しながらお酒(高級 周荘ビール)を飲んだので、いい気分になって周荘をぶらぶら。
 見つけた変なものをつい写真に撮ってしまうので、頭の悪い写真のオンパレードになってしまった。

(がんばれ少年)

 この木製の機械は、左下にある(見えてないけど)大きな湖から水をくみ上げて、右奥の池に流すためのもの。人力なんだけど、生半可な力ではびくともしない。
 一体だれが動かすのやら……。

(気分はお姫様!?)

 公園の中にはこんなものがあって、写真撮影なんかしていた。中の女の子は、カメラマン(友達の少女)にポーズやらなんやら、ケチを付けられまくっていて大変そうだった。

(子供用の石製ベッド)

 ……ではなくて、何かのオブジェである。中国では、こういう芸術的なオブジェは、大体、子供のおもちゃとなっている(笑)。

(全てを幸せに……)

 “全福寺”という寺の本尊。……すべてを幸せにしてくれそうな、えもいわれぬ怪しい包容力に満ちている。

(沸き立つ水)

 占いの露天なのだろうか?銅製のタライに水が張ってあり、その向こうに座っているおばさんが客に呼びかけているのを見かけた。
 客は、お金を払ったあとで、手を水でぬらしてタライの端をこする。すると中の水が沸き立ってきて、飛び散るのだ。たくさん沸き立ったほうがいいみたいなんだけど、詳しくはよく分からなかった。

(船の大渋滞)

 観光客が多ければ、それを乗せる船も多い。チップももらえるみたいだから、いい商売にもなるしねぇ。しかし、これだけ多ければ、情緒が台無しになってると思うのは、私だけだろうか?

(巨大な皿)

 周荘の博物館の中に展示してあった巨大な皿。直径110cm。どうやって成形したのか?どうやって焼いたのか?何に使うつもりなのか?まったく不明。
 “珍品”って書いてあったけど、まったくその通りだと思う。

(私の歌を聴いて!)

 人が集まっていたので何かと思って見に行くと、ステージで何かやってるみたいだった。
 けど、どうやら中央の女性がひたすら歌を歌いまくるというだけの内容で、当然歌の中身も分からない。退屈だったので5分ぐらいで出てきてしまった。

(胃にトドメを)

 そう言えば、買い食いをしてないじゃないか。…ってなわけで、売ってた名の知れぬお菓子を買ってみた。固めのパイ生地に、ゴマや唐辛子を練りこんだものである。
 おいしかったが、味が淡々としていたので、苦しかった。

(さらば周荘)

 買ってきたお菓子を食べながら、ひたすらボ〜〜〜〜〜っとしていた。古風な町並み、ゆったりと流れる川。船漕ぎたちののんびりした歌声…。観光客が多くてうっとおしかったけども、仕事で疲れてささくれ立った俺の心を、十分に癒してくれた。
 時刻は3時45分。バスの時間と、バス停までの距離を考えると、もう帰らないといけないだろう。さらば周荘。今度は人が少なそうな平日に来たいなぁ…無理だけど。

8 周荘〜ホテル

 バスの中ではずーっと寝てた。歩き通しで足が痛くなってしまった。ホテルに帰りついたのは6時半でした。

9 おわりに

 今回の旅では、バスに乗るまでに大苦戦してしまい、時間を食ってしまった上に、バスでの移動が往復で3時間もあったのだけど、十分に遊べたので良かった!
 周荘の、のんびりとした雰囲気はすごく気に入ったのだけど、観光客が多くてうっとうしかった。次は、マイナーな水郷にでも行ってみようかなぁ。
 でわでわ〜〜〜〜〜

 「上海旅行記 周荘編」いかがだったでしょうか?。
 周荘に行ってからいくばくもたたないうちに、会社を辞めてしまったので、上海旅行記はこれで終わりとなります。
 平日に周荘に行く機会は、やっぱりありませんでした。
 ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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