引き返せないところまで

 コートの下に来ていたのは、紺色のワンピースだった。
「ワンピースも、脱がしていい……?」
 一応聞いてみたが、反応は無い。
 それを肯定と勝手に解釈して、ワンピースを脱がすことにした。
 下から一気にめくり上げるしかないのかなと思いながら改めて服を観察すると、背中と袖にチャックがついていて、簡単に脱がせられるようになっていた。
 俺はチャックを下げて、エトワールを立たせる。
 彼女は、全く抵抗しなかった。

 パサリ……

 軽い音を立てて、ワンピースは彼女の足元にあっさりと落ちた。

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